COMPLETED!

第2弾!野鳥ボードゲームを社会へ 〜遊びから自然とつながる実験〜

メンバー:大辻洵子
試作してきた野鳥ボードゲームを、今度は「実際に届ける」段階へ。 ルールづくりや制作、販売先の検討など、商品化に向けた実験が始まりました。 遊びから自然とつながる体験を広げていきます。


「どうしたら人間と自然がもっと近くに感じられるだろう?」


野鳥をもっと身近に感じてもらいたい。
そんな思いから始まった 野鳥プロジェクト(第1弾)は、試作ボードゲームの制作やイベントでの発表を通して、多くの人から反応をいただくようになりました。

「実際に遊んでみたい」
「子どもと一緒にやってみたい」
「地域の自然をテーマにしたゲームになりそう」

こうした声をきっかけに、このボードゲームをより多くの人に届けたいという思いが生まれました。

✳︎第1弾はこちらから!




この実験のゴールは、野鳥をテーマにしたボードゲームを実際に販売し、より多くの人に遊んでもらい、野鳥と人との距離を近づける新しいきっかけを作ることです。

遊びながら野鳥の名前や鳴き声を知ることができ、
「この鳥、どこかで聞いたことがある!」
そんな発見が日常の中に生まれるきっかけをつくりたいと考えています。

さらに、このボードゲームは地域ごとの野鳥に合わせて内容を展開することも可能です。
地域の自然を知るツールとして広がれば、自然と人との距離を近づける新しいきっかけになるかもしれません。

遊びから自然へ。
このボードゲームを通して、野鳥と人をつなぐ新しい体験を届けていきます。


日常を豊かにする『野鳥発見』のデザイン


「全然野鳥を知らない人でも、野鳥の存在に気づけるきっかけを作りたい。楽しく遊びながら野鳥に詳しくなれたら、もっと人と野鳥の距離を近づけられそう!」 そんな想いからこのプロジェクトは始まりました。

ボードゲームに登場するすべての野鳥イラストやカード、マスのデザインは大辻さん自身の手によるものです。「野鳥が大好きだからこそ伝えられる魅力を、絵や文章を通して目いっぱいに詰め込みたい」というこだわりから、図鑑の情報をそのまま引くのではなく、自身の知識や“推しポイント”を凝縮させました。これこそが、楽しく野鳥に触れられる『やちょうまっぷ』のアイデンティティです。純粋なボードゲームとしての楽しさを保ちつつ、野鳥のかわいさや面白さ、身近さに気づいてもらえる仕組みを作りたい。その絶妙なバランスを追求して試行錯誤を重ね、プレイヤーが楽しみながら野鳥の世界に没入できるルールづくりに力を入れました。

日常とつながる「鳴き声」へのこだわり


この実験の最初のきっかけである「野鳥の鳴き声」。姿は見えなくても、声だけで存在を感じられるのは野鳥の大きな特徴のひとつです。そのため、鳴き声をどう届けるかという点は、制作において特にこだわった要素でした。

単に名前を知るだけでなく、ゲームを通じて聞いていた声が、外を歩いている時にも聞こえてきたら「あれ、この声は……」と意識を向けてもらえるのではないか。そんな気づきのきっかけを作りたいと考えました。

カードに音声装置を内蔵する案など、情報を「聴く」体験を組み込むための試行錯誤を重ねました。最終的にゲームに鳴き声の体験を組み込むことは叶いませんでしたが、そこで諦めるのではなく、スマートフォンで読み取るNFCタグを貼付した「鳴き声カード」をセットに付属させることで、少しでも音に触れる機会を創出しました。

理想をそのまま形にすることだけが正解ではなく、直面した制約の中で知恵を絞り、一歩ずつ理想に近づけていく。このプロセスは野鳥とのふれあいをゲームの世界だけにとどめず、「実社会との接点」を作り出す工夫となりました。

アイデアを「商品」として世に送り出す


「このボードゲームが誰かの手に渡って初めて、描いていた目標が達成できる」 そんな想いから、大学内での探究活動に留まらず、実際に社会と接点を持たせることが本プロジェクトの最終フェーズとなりました。

11月のアイデアピッチコンテスト2025への出場で5位入賞を獲得し、授与された賞金を元手に商品化へと着手しました。

名古屋大学生協との相談を経て、デザインから発注、検品、セット組みまで自ら行い、ついに製品を店頭へ。結果として、販売開始からわずか2週間で全数が完売するという、予想を上回る反響をいただきました。

実際に購入された方からは、「野鳥を全然知らなかった人も、ゲーム中には自然と野鳥の名前を発していた」「子どもがすごくハマった!」などの感想をいただき、掲げていた想いが形になったことを実感しました。一人の「好き」から始まったアイデアが、多くの関係者の協力を得て、ユーザーの手に届く「価値ある商品」として結実した瞬間でした。


このボードゲームは、大辻さん自身の「好き」という純粋な気持ちを原動力にして生まれた、こだわりと工夫の結晶です。一人のこだわりが、イラストや音、ゲームの仕組みに詰め込まれ、実際に社会へと届くプロダクトにまで進化しました。

「好き」を突き詰めることは、自分だけでなく他者の心をも動かす大きな力になる。この実験は、個人の情熱が社会に新しい価値を実装できることを証明する、確かな一歩となりました。


メンバー

大辻洵子

名古屋大学 経済学部