COMPLETED!

AI×人間の共創漫才プロジェクト!

メンバー:小松駿太 / 大坪祐太
AIと人間の共創による漫才づくりに挑戦する、学生2人による実験プロジェクト。M-1グランプリへの出場を目指し、AIを活用して3回戦突破レベルのネタ制作に取り組みます。 漫才愛にあふれる2人がIdea Stoaで出会い、研究と笑いを融合させた新しい表現に挑みます!


「AIと人間の共創で、おもしろい漫才はできるのか?」


この実験は、M-1グランプリに3年連続で出場するほど漫才を愛する学生の一言から始まりました。大学でもAIを活用した漫才の研究にも取り組んでおり、問いを形にしようとしています。

その相方は、小学生のころから人前でコピー漫才を披露していたほど、漫才好き。
偶然Idea Stoaで出会った2人が、「漫才をやりたい!」という思いで意気投合し、AIとの漫才実験プロジェクトが動き出しました。



この実験のゴールは、AIの力を借りながらも“ちゃんと笑える”漫才を生み出し、M-1グランプリの1回戦を突破することです。目指すのは、3回戦進出レベルのネタを自分たちの手で完成させこと。

AIを道具として活用しつつ、人間にしかできない間やツッコミの妙を取り入れながら、新しい漫才の可能性に挑戦します。



ネタづくり→初漫才披露!

2025/05

プロジェクトはまず、ネタ作りからスタートしました。
M-1出場経験のある小松さんと、漫才ネタづくり初心者の大坪さんがコンビを組み、ChatGPTを活用してネタを共同で制作。「警備員だけど自宅を警備してるやつ」という設定をテーマに、某有名漫才師のスタイルを参考にしながら1週間で第一稿を完成させました。

そこからは、お互いにセリフを改良したり、実際に声に出して練習したり、動きを加えたりと、ネタに磨きをかけていきました。
5月末にはIdea Stoaで初披露を実施。利用者も巻き込みながら披露し、貴重なフィードバックを得ることができました。

漫才ワークショップに参加

2025/05

東海学生演芸協会TOGE主催の漫才ワークショップ「ツッコミたくなる金曜日!〜ボケとツッコミをちゃんと知ろう〜」に参加。

現役放送作家の指導のもと、ネタの構成やボケ・ツッコミの役割を学びながら、自分たちのネタをブラッシュアップしました。

某現役芸人からのアドバイス

2025/06

学内の基調講演に登壇した芸人と直接話せる機会があり、小松さんは勇気を振り絞り、思い切ってM-1出場を目指す夢とAIを使ったネタづくりについて伝えました。

「ネタの設定を変えてAIに投げかけると新しい発想が生まれるよ」

といった貴重なアドバイスをもらいました!

第2弾 ChatGPTとネタ作り

2025/07-08

ChatGPTに「この漫才に似ているネタで、設定を『警備員かと思ったら自宅警備員だったやつ』に変えて」と入力したところ、AIは、セリフの展開、ボケのパターン、ツッコミの返し方などを複数提案してくれました。

その中から「実際に言いたいボケ」を投げかけながら「自分たちらしいテンポ」を選び、
AIの案をたたき台としてネタを再構成。
AIが生み出す「意外性」と、人間ならではの「体験に基づくリアルさ」を組み合わせながら、少しずつ自分たちの言葉にしていきました。

AIは、ネタの“骨格”をつくるのが得意で、その中に“人のクセや間”が入ったときに面白さがあるのだと気づきました。

最終的に、AIが提示したアイデアを軸にしながら、自分たちの会話のテンポや感情を加えることで、 “AIと人間が共創した漫才”として完成させました。

M-1グランプリ大阪会場・1回戦出場

2025/09

完成したネタを携え、M-1グランプリの大阪会場に出場。
観客の反応を肌で感じながらステージを終え、結果は1回戦敗退。
しかし、AIと人間の共創で生まれたネタが、確かに舞台で笑いを生んだ手応えがありました。


今回の実験を通して2人が感じたことは「AIとの共創は“人間の代わり”ではなく、“発想を広げる相棒”だった」ということ。
AIとのやりとりは、単にネタを作るためのツールではなく、思考を刺激し、想像を広げる“相手”のような存在になりました。

大坪さんは、「人前で表現する自信がついた」と話します。
また、日常生活の中で「これってネタになるかも」と思える瞬間が増え、日常の見方が少しずつ変わっていったと。

一方、小松さんは「漫才の“型”とは何か?」を改めて考えるきっかけになりました。
どの本やサイトにも明確な答えがない中で、漫才の“型”は体感としてしか掴めないことを実感。 常識と非常識のあいだにある笑いを、AIとの対話を通じて探っていきました。


また、漫才の「構成」や「テンポ」「間」など、笑いが生まれる仕組みを言語やデータの観点から分析することの重要性を実感。

さらに、「面白くない漫才を突き詰めることも、面白さを理解する第一歩になる」というアドバイスから、 AIが生み出す「笑えない」ネタや違和感のある掛け合いをあえて観察・検証することで、 “笑い”の構造そのものを明らかにしていく可能性も考えました。

AIと人間の共創は、“笑い”を科学的に理解するための新しいアプローチにもつながりつつあります。

メンバー

小松駿太

名古屋大学 工学科情報専攻

大坪祐太

名古屋大学 工学部